日々、高齢者の方々と接しながら、時に笑い合い、時に涙を分かち合う仕事をしています。
この仕事にはやりがいや感動がたくさんありますが、一方で、気持ちが沈んだり、心が疲れてしまうこともあります。そんなとき、私はいつも空を見上げることにしています。
今日は、読者の皆さんと一緒に、空を見ることが私たちの気持ちにどのような変化をもたらすのか、その大切さを考えてみたいと思います。
空を見るというシンプルな行為
忙しい毎日の中で、ふと立ち止まり空を見上げることはありますか?都会の高層ビルに囲まれていると、空が見えにくいこともありますが、それでも立ち止まって少し上を見てみると、青空や雲の形、時には星や月が目に入ることがあります。このほんの一瞬の行為が、私たちの心に小さな変化を与えてくれるのです。
空は、どんな時でもそこにあります。晴れた日には広がる青空、雨の日には灰色の雲、そして夜には無数の星々が輝いています。
空を見上げると、どんな状況であっても、その瞬間だけは自分の置かれている環境や悩み事から解放されるような気がします。空は、私たちに寄り添いながらも、広大な世界を思い出させてくれる存在なのです。
介護の現場で感じる空の力
私が介護士として働く中で、空を見上げる時間は特別な意味を持っています。例えば、大切な入居者様が旅立たれたときや、仕事で行き詰まりを感じたとき、心の中に小さな葛藤が生まれることがあります。そんなとき、外に出て空を見上げると、不思議と気持ちが軽くなります。
ある日のことです。認知症の進行で感情のコントロールが難しくなった入居者様とのやり取りに疲れ果てた私は、休憩時間に外に出て空を見ました。
その日は少し曇り空で、空一面に薄い雲が広がっていましたが、雲の切れ間から太陽の光が差し込んでいるのが見えました。
その光景を見た瞬間、「どんなに曇っていても、必ず光が差す瞬間がある」と感じ、胸の中にあったモヤモヤが少し晴れたのを覚えています。
また、季節ごとの空の変化を楽しむのもいいものです。春の桜が舞う青空、夏の入道雲、秋の高く澄んだ空、冬の冷たく静かな夜空。それぞれの空には、その時々の心情に寄り添ってくれる力があります。
空を見ることで得られる気づき
空を見ることで気持ちが切り替わる理由の一つに、自然の広がりを感じることが挙げられます。私たちは日常の忙しさや、自分の悩みに囚われてしまいがちです。
しかし、空を見上げることで、自分が小さな存在であることを感じると同時に、悩みがほんの一部に過ぎないことを実感します。
さらに、空を見る行為は、私たちの呼吸や心拍を落ち着かせる効果もあります。深呼吸しながら空を見上げると、緊張していた体がほぐれ、心がリセットされるような感覚があります。このようなリラクゼーション効果は、科学的にも証明されているそうです。
日常生活で空を取り入れる方法
忙しい生活の中でも、空を見る時間を意識的に作ることで、心に余裕が生まれます。以下のような方法で、ぜひ空との時間を楽しんでみてください。
朝のひとときに空を見上げる
朝起きたら窓を開けて空を眺めてみましょう。一日の始まりに深呼吸しながら空を見つめることで、気持ちが穏やかになります。
散歩中に空を感じる
通勤や買い物の途中で少し足を止めて、空を見てみましょう。忙しい日常の中にも、小さな癒しの瞬間を見つけることができます。
夜空を眺めてみる
一日の終わりに星空を見上げると、自然の大きさに心が包まれます。満月や流星群の日には、さらに特別な気分になれます。
空は私たちの味方
介護の仕事に限らず、どんな職業でも心が疲れてしまうことはあります。そんなとき、空を見るというシンプルな行為が、私たちの心を軽くしてくれることがあります。空はいつでもそこにあり、何も言わずに私たちを見守ってくれています。
最後に、これを読んでいる皆さんにも、ぜひ空を見上げてみてほしいと思います。たとえほんの一瞬でも、自分の心がふっと軽くなる瞬間を感じられるかもしれません。そして、その瞬間が、あなたの明日を少しでも明るくしてくれるはずです。
次に空を見上げるとき、何を感じるかはあなた次第です。どうか、空を見上げることで心の中に少しでも光が差し込みますように。
最後までお読みいただきありがとうございます。