kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

高齢者の使用済みオムツのゆくえ

私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。

 

毎日、老人ホームで高齢者の排泄介助を行うと、使用した紙オムツが大量に出ます。この紙オムツはどこに行くのか気になり調べてみました。

 

高齢化社会の進展に伴い、高齢者の使用済みオムツの排出量も増加の一途を辿っています。2020年度の全国の使用済みオムツの排出量は約180万トンで、これは可燃ごみの約1割を占める規模です。

 

使用済みオムツは、一般家庭では可燃ごみとして焼却処分されるのが一般的です。しかし、介護施設や病院では、汚物処理室に保管された後、事業系一般廃棄物として収集、焼却処分されます。

 

焼却処分された使用済みオムツは、ダイオキシンなどの有害物質を発生させるリスクがあります。また、重量が約4倍に膨張するため、運搬や処理に大きなコストがかかります。

 

そこで、国土交通省では、使用済みオムツの処理方法の見直しを検討しています。具体的には、汚物を分離して下水道に流す方法や、リサイクルする方法などが考えられており、今後の動きが注目されています。

 

使用済みオムツの処理に悩む介護者

使用済みオムツの処理は、介護者にとって大きな負担です。汚物処理室の清掃や、ごみ袋の運搬、収集日までの保管など、さまざまな作業が発生します。また、においや重量の問題も大きな悩みの種です。

 

特に、一人暮らしの高齢者を介護している場合、使用済みオムツの処理はさらに困難となります。ごみ袋の運搬や収集日までの保管など、介護者が一人ですべて行うことになるからです。

 

使用済みオムツの処理に配慮した社会を

高齢化社会において、使用済みオムツの処理は、重要な社会課題の一つです。環境への負荷を減らし、介護者の負担を軽減するためにも、新しい処理方法の開発や、社会的な理解の促進が求められています。

 

具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

  • 汚物を分離して下水道に流す処理方法の普及
  • 使用済みオムツのリサイクルの推進
  • 介護施設や病院の汚物処理室の改善
  • 使用済みオムツの処理に関する情報提供の充実

紙おむつのリサイクルに取り組まれている企業としては、以下のような企業があります。

これらの企業では、主に以下の方法で紙おむつをリサイクルしています。

 

  • 汚物分離・再生

使用済み紙おむつから汚物を分離し、パルプ、ポリプロピレン(PP)、高分子吸収材(SAP)などの原料に再生する方法です。

 

汚物分離は、機械的に行う方法と、化学的に行う方法の2種類があります。機械的に行う方法は、使用済み紙おむつを細かく砕いて、汚物と原料を分離する方法です。

化学的に行う方法は、使用済み紙おむつに含まれる尿素アンモニアなどの化学物質を利用して、汚物を溶解する方法です。

 

再生は、原料を洗浄、乾燥、粉砕などの処理を経て、再び紙おむつやその他の製品の原料として利用する方法です。

 

  • 固形燃料化

使用済み紙おむつを固形燃料化して、発電や工業用熱源として利用する方法です。

 

固形燃料化は、使用済み紙おむつを細かく砕いて、高温高圧で加熱することで、固形燃料にする方法です。固形燃料は、可燃ごみとして処理するよりも、二酸化炭素の排出量を削減できるというメリットがあります。

 

  • 埋め立て

使用済み紙おむつを埋め立てて、最終処分する方法です。

 

埋め立ては、最も一般的な紙おむつの処理方法です。しかし、使用済み紙おむつは、重量が約4倍に膨張するため、運搬や埋め立てに大きなコストがかかるという課題があります。

 

今後、高齢化社会の進展に伴い、使用済み紙おむつの排出量はさらに増加することが予想されます。そのため、紙おむつのリサイクルのさらなる普及が求められています。

 

具体的には、以下のような取り組みが必要と考えられます。

  • 汚物分離・再生の技術の開発と普及
  • リサイクルのコスト削減
  • 消費者の意識向上

 

汚物分離・再生の技術の開発と普及によって、リサイクルのコスト削減や、より高品質な原料の再生が可能となります。また、リサイクルのコスト削減によって、リサイクルの普及が促進されると考えられます。

 

消費者の意識向上によって、使用済み紙おむつのリサイクルへの理解と協力が得られることが期待されます。

 

使用済みオムツの処理は、誰もが直面する可能性がある問題です。私たち一人ひとりが、この問題について考え、取り組んでいくことで、より良い社会を実現していきたいものです。

 

このブログが、高齢者の使用済みオムツの処理に悩む人々の役に立てば幸いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。