私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。
近年、バリアフリーの取り組みが進んでおり、街中には段差のない歩道や車いす用トイレが設置されるなど、設備的なバリアフリーが整備されつつあります。しかし、設備的なバリアフリーを整備するだけでは、障害のある人が安心して暮らせる社会にはなりません。
なぜなら、設備的なバリアフリーだけでは、障害のある人が日常生活や社会活動をしていく中で感じる「意識上のバリア」は取り除くことができないからです。
意識上のバリアとは、障害のある人に対する無関心や誤解、何気なく行っている行動や発言などによって生じる、障害のある人が社会に参加する上での障壁のことです。
例えば、車いす使用者がいる前で「車いすの人って、運転できないよね?」と話しかけたり、聴覚障害者がいる前で大声を出して話したりすることは、意識上のバリアを作り出す行為です。
このように、設備的なバリアフリーだけでなく、意識上のバリアをなくすことも、バリアフリーな社会を実現するためには重要です。
心のバリアフリーとは
心のバリアフリーとは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことです。
心のバリアフリーを実現するためには、まず、障害のある人に対する理解を深めることが大切です。障害の種類や程度は人それぞれであり、障害のある人全員が同じ行動や考え方をするとは限りません。
また、障害のある人に対する偏見や差別をなくすことも重要です。障害のある人も、障害のない人と同じように、一人ひとりの個性や尊厳を持ち合わせた人間です。
心のバリアフリーを実現する具体的な行動
心のバリアフリーを実現するためには、日常生活の中でできることから始めてみましょう。
例えば、次のような行動を心がけてみてはいかがでしょうか。
- 障害のある人がいる前で、無意識に発する言葉や行動に注意する
- 障害のある人に対する偏見や差別をなくすために、情報収集や体験活動を行う
- 障害のある人と一緒に活動する機会を積極的に作る
このような行動を積み重ねることで、心のバリアフリーにつながり、障害のある人も障害のない人も、誰もが安心して暮らせる社会を実現することができるでしょう。
障害のある人に対する共感を深める
心のバリアフリーを実現するためには、障害のある人に対する共感を深めることも大切です。
共感とは、自分とは異なる立場の人の気持ちを理解し、寄り添うことです。障害のある人に対する共感を深めるためには、次のような方法があります。
- 障害のある人本人やその家族、支援者の話を聞く
- 障害のある人が体験する困難や苦労を想像する
- 障害のある人が活躍する姿を見る
このような方法で、障害のある人に対する共感を深めることで、心のバリアフリーにつながり、障害のある人も障害のない人も、誰もが安心して暮らせる社会を実現することができるでしょう。
まとめ
設備的なバリアフリーと心のバリアフリーは、どちらもバリアフリーな社会を実現するために欠かせないものです。
設備的なバリアフリーを整備するだけでなく、心のバリアフリーを実現するためにも、一人ひとりができることから始めていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。