kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

言葉の消しゴムなんてありません

私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、入所者様の方々と接し、彼らの喜びや悲しみ、そして人生の様々な経験を共有しています。その中で、言葉の持つ力と重要性を改めて実感しています。

 

言葉は、人を傷つけたり、癒したりすることができます。時には、ちょっとした一言が大きな誤解を生んだり、心を深く傷つけたりすることもあります。しかし、同時に、言葉は人を励まし、希望を与え、人生を変える力も持っているのです。

 

介護の仕事では、入所者様の方々と様々なコミュニケーションをとります。その中で、言葉の大切さを痛感することが多々あります。入所者様の方々は、それぞれ長い人生を歩んできており、様々な経験や価値観を持っています。中には、言葉にできない苦しみや悲しみを抱えている方もいらっしゃいます。

 

そんな時、私たち介護士が求められるのは、ただ話を聞いて共感することです。そして、入所者様の方々の言葉に真摯に耳を傾け、彼らの気持ちに寄り添うことです。

 

入所者様の方々の言葉に耳を傾ける

先日、ある入所者様の方からこんな話を聞きました。

「もう歳だから、何もかも諦めたい。何もやる気が起きない。」

 

その方は、最近体調を崩して、以前のように自由に外出できなくなっていました。

孤独感や虚無感に襲われ、生きる希望を失いかけていたのです。

 

私は、その方のお話をただ黙って聞きました。そして、こう伝えました。

 

「何もやる気が起きないのは、つらいですよね。でも、あなたにはまだできることがたくさんあります。例えば、他の入所者様の方々と話をしたり、一緒にゲームをしたり、園芸を楽しんだりすることもできます。」

 

すると、その方は少し表情を緩め、こう答えてくれました。

「そうかもしれないですね。もう少し頑張ってみようと思います。」

 

ちょっとした言葉をかけることで、その方の気持ちが少し明るくなったように感じました。

 

入所者様の方々の気持ちに寄り添う

言葉には、人を傷つける力もあれば、癒す力もあります。介護の仕事では、入所者様の方々の言葉に真摯に耳を傾け、彼らの気持ちに寄り添うことが大切です。

 

入所者様の方々は、それぞれ異なる人生を歩んできており、様々な価値観を持っています。私たち介護士は、入所者様の方々の価値観を尊重し、彼らの立場に立って考えることが大切です。

 

また、入所者様の方々の言葉に否定的な反応をするのではなく、共感の気持ちを示すことも重要です。たとえ、入所者様の方々の意見に理解できない部分があったとしても、まずは話を聞き、彼らの気持ちを受け入れるようにしましょう。

 

おわりに

言葉は、コミュニケーションのツールであり、人を繋ぐ架け橋です。介護の仕事では、入所者様の方々と信頼関係を築き、良好なコミュニケーションを図ることが大切です。

 

そのためには、言葉の持つ力と重要性を理解し、入所者様の方々の言葉に真摯に耳を傾け、彼らの気持ちに寄り添うことが必要です。

 

私たちは、言葉の消しゴムを持っていません。一度発した言葉は、取り消すことはできません。しかし、言葉の力で人を傷つけることも、癒すことも、励ますこともできます。

 

介護士として、入所者様の方々の言葉に真摯に向き合い、彼らの心を支えていきたいと思っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。