私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。日々、入居者の方々と接する中で、「最後まで、どのように寄り添うか」という問いを常に考えています。
人生の最期を迎えるまでの時間は、人それぞれです。中には、家族や友人に囲まれて、穏やかに旅立つ方もいらっしゃいます。しかし、孤独を感じながら、不安を抱えて過ごす方も少なくありません。
介護士として、私は入居者の方々に寄り添い、その人生の最後を少しでも温かく、充実したものにしたいと考えています。
1.一人ひとりの個性に寄り添う
入居者の方々は、それぞれの人生経験や価値観を持っています。「こうあるべき」という介護の型にはめ込むのではなく、一人ひとりの個性に寄り添うことが大切です。
例えば、ある入居者の方はずっと料理が好きだったとします。であれば、食事の準備の手伝いをしてもらったり、一緒に料理の思い出話をするのも良いでしょう。
2.心の声に耳を傾ける
入居者の方々は、言葉で全てを表現できるわけではありません。表情や声のトーン、体の動きなどから、心の声を察知することが重要です。
「今日はなんだか元気がないな」「何か心配事があるのかな」と感じたら、声をかけ、じっくりと話を聞いてあげましょう。
3.小さな幸せを一緒に分かち合う
入居者の方々にとって、日常生活の些細な出来事が大きな喜びとなることがあります。一緒に花を眺めたり、お茶を飲んだり、季節の行事を楽しんだりすることが、心の支えになるのです。
4.家族とのつながりを大切にする
入居者の方々にとって、家族はかけがえのない存在です。家族との面会や交流をサポートし、心の距離が遠ざからないようにすることが大切です。
家族と離れて暮らす入居者の方には、定期的に電話やビデオ通話をする機会を設けたり、家族宛ての手紙を書くことを促したりするのも良いでしょう。
5.最後まで希望を捨てない
どんなに体調が悪くなっても、入居者の方々は希望を持ち続けています。その希望を尊重し、最後まで諦めずに寄り添うことが重要です。
「もう一度、家族旅行に行きたい」「孫の成長を見届けたい」といった希望があれば、それを叶えるためのサポートをしましょう。
6.介護士自身の心身の健康を保つ
入居者の方々に寄り添うためには、介護士自身の心身の健康を保つことも重要です。仕事とプライベートのバランスをしっかりと取り、ストレスを溜めないようにしましょう。
定期的に休息を取る、趣味を楽しむ、同僚や家族と話すなど、自分なりのリフレッシュ方法を見つけておくことが大切です。
7.学び続ける姿勢を持つ
介護の知識や技術は、日々進化しています。最新の情報を常に学び続けることで、より質の高いケアを提供することができます。
研修に参加したり、専門書籍を読んだり、同僚と情報交換をするなど、学び続ける姿勢を持ちましょう。
8.チームで協力する
介護は、一人ではできません。医師、看護師、介護士、ケアマネージャーなど、チームで協力することで、より良いケアを提供することができます。
それぞれの専門性を活かし、情報共有をしっかりと行い、入居者の方々に寄り添いましょう。
9.死をタブー視しない
死は、誰にとっても避けられないものです。入居者の方々が死を覚悟し、最期を迎えられるようにサポートすることも、介護士の役割です。
死について話し合う機会を設けたり、宗教的な支援を提供したりするなど、それぞれのニーズに合わせたサポートをしましょう。
10.自分自身の死について考える
入居者の方々の死に直面する中で、自分自身の死についても考えることが大切です。死をどのように捉え、どのように最期を迎えたいのかを自分自身に問いかけることで、入居者の方々に寄り添う気持ちが深まります。
「最後まで、どう寄り添うか」という問いには、正解はありません。しかし、入居者の方々に寄り添い、その人生の最後を少しでも温かく、充実したものにするために、私たちは常に考え続けなければなりません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。