誰しも、時には「つじつま合わせ」をしてしまうことがあると思います。
仕事や人間関係で、少し無理をしてでも周囲に合わせたり、心の奥底では違和感があっても、表面的に笑顔をつくったりして「うまくやり過ごす」こともあるでしょう。
特に私のように老人ホームで介護をしていると、入居者様やそのご家族、同僚たちに対して、つい「自分はこうであるべき」と自分に言い聞かせてしまうことが多々あります。
しかし、そうした「つじつま合わせ」の繰り返しは、いつか自分をすり減らし、疲れ果ててしまう原因にもなりかねません。
「つじつま合わせの人生」を続けるのではなく、「本当に自分が望む人生」へと変えていきたい――そう願う自分がいるのです。
なぜつじつま合わせをしてしまうのか?
私たちがつじつま合わせをしてしまう理由はさまざまです。
時には「人に迷惑をかけたくない」という優しさからかもしれませんし、「期待に応えたい」という責任感からかもしれません。
また、他人の目を気にしすぎて「周りに合わせるべき」と思い込んでしまうこともあります。
介護の仕事では、入居者様やご家族、スタッフの間で気配りが求められますが、つい自分の本音を押し殺してしまう場面もあります。
自分の意見や気持ちを出さずに、「うまくやり過ごす」ことを選んでしまう。けれど、そんな選択を続けていると、いつの間にか自分が何を望んでいるのか、本当に何が大切なのかがわからなくなってしまうこともあるのです。
つじつま合わせによる負担
「つじつま合わせの人生」を送ることは、短期間ではそれほど大きな負担には感じないかもしれません。
しかし、長く続けていると、その蓄積が私たちの心に重くのしかかってきます。自分を抑えて他人の期待に応え続けることで、ストレスがたまり、心が消耗してしまいます。
介護士として、入所者様に対する思いやりや敬意を持つことは大切です。
しかし、自己犠牲の精神が行き過ぎると、自分自身の生活や心の健康が犠牲になってしまいます。仕事に全力を注ぎたいと思っても、自分の心が疲れ果てていては、結局は自分も周囲も幸せにはなれないのです。
本当の自分と向き合う勇気
「つじつま合わせの人生」を変えるためには、まず自分と向き合うことが必要です。自分が本当に何を望んでいるのか、どうしたいのかを問いかけることから始まります。
つじつまを合わせているときには、往々にして自分の心の声を無視していますが、それを無視し続けることは、自分を裏切り続けていることと同じです。
「このままでは嫌だ」「自分を取り戻したい」という気持ちがあるなら、その思いを大切にすることから始めましょう。
自分の本音を認め、今の状況や環境にどこか無理があると感じるならば、その気持ちを無視せずに受け入れてあげることが重要です。
少しずつでも変えていくための小さな一歩
つじつま合わせから抜け出すには、いきなり大きな変化を求める必要はありません。まずは日常の中で小さな変化を意識してみることです。
例えば、何かを選ぶときに少しだけ「自分の気持ちを大切にする」ようにしてみるのです。
・自分がどう感じているのかを、まず自分自身に尋ねてみる
・小さなことでも「本当はこうしたい」と思うことを実行してみる
・周囲に遠慮せず、少しだけ自分の意見を伝える
こうした小さな一歩が、つじつま合わせの人生から抜け出すきっかけになります。
周囲との関係を見直す
自分らしく生きるためには、時には周囲との関係を見直す必要もあります。
自分の本音を出すことで、今まで築いてきた関係が変わってしまうことを恐れるかもしれません。
しかし、本当に大切な人や理解してくれる人は、きっとありのままのあなたを受け入れてくれるはずです。
逆に、つじつま合わせによってしか成り立たない関係は、いずれ自分を苦しめるものになるかもしれません。
自分の人生をより充実させるために、ありのままの自分でいられる関係を大切にしていくことが大切です。
つじつま合わせの人生を変えることで得られる自由
つじつま合わせの人生を変えることで、私たちは本当の意味での自由を手に入れることができます。
無理して誰かの期待に応えるのではなく、自分の気持ちに素直になれるようになると、人生は驚くほど軽やかになります。
介護士として日々の仕事に向き合う中で、自分がどう感じているのかを大切にすることは、自分自身を尊重することにもつながります。
そうすることで、入所者様との関係もより温かいものになり、仕事へのやりがいもより深まっていくのです。
さいごに
もしあなたが、つじつま合わせの人生に違和感があり、変わりたいと思っているなら、ぜひその気持ちを大切にしてください。
誰もが自分らしく生きる権利を持っており、そのために必要な一歩を踏み出す勇気を持つことができます。
つじつま合わせをやめることは、最初は怖いかもしれません。
しかし、それをやめた先には、より自分らしく自由な人生が待っているのです。
そしてその人生は、きっと今よりもずっと豊かで、充実したものになるでしょう。
自分を大切にし、周囲の人たちとも本当の意味でつながれる人生を目指して、少しずつでも歩みを進めていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。