kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

起きて欲しくなかったことが、現実となったとき

今回は、介護の現場で避けられない辛い現実に触れながら、その時の思いをお伝えしようと思います。

 

介護の仕事をしていると、心が痛む場面や、できれば避けたかった出来事に直面することが少なくありません。

 

それでも私たちは、精一杯のケアを提供し、日々を大切に過ごしています。

 

しかし、どうしても現実と向き合わなければならない時、その重さに気持ちが追いつかないこともあります。

 

起きて欲しくなかった瞬間と向き合う

介護の現場では、入居者様の体調が急に悪化することがあります。

 

ある日突然、いつも元気に笑っていたあの方が、表情も変わり、言葉も少なくなることもあります。

 

医療チームのサポートを受けながら対応するものの、私たちがどんなに心を込めてケアをしても、思い通りにいかないこともあります。

 

人間の命には限りがあるというのが分かっていても、それを日々実感するたび、言葉にできない思いが湧き上がります。

 

特に信頼関係が築けていた入居者様が体調を崩したり、突然のお別れを迎えることになると、「どうしてもっと早く気づけなかったのだろう」「何かできたのではないか」という思いが胸を締めつけます。

 

自分を責めてもどうにもならないと分かっていても、その場を共にした人として、ただ心が痛みます。

 

プロとしての心構えと人間としての葛藤

プロとして、自分の感情をコントロールし、冷静に対応することが求められます。けれども、私たちは機械ではありません。

 

介護士もまた、人間であり、入居者様への愛情や思いやりを持っています。そのために、私たちも時には悲しみや辛さを感じます。

 

ふと仕事が終わった後、家路に着く途中で、「あの人にもっとしてあげられたのではないか」という思いが湧き上がることがあります。その度に、プロとしての立場と、個人としての気持ちの間で揺れ動きます。

 

しかし、そんな葛藤も、介護の仕事に真剣に向き合っている証拠であり、それが私の原動力にもなっています。

 

仲間の存在に支えられて

介護の現場は、決して一人で行うものではありません。同じように入居者様に向き合い、時には同じ悲しみや重さを抱えている仲間がいます。

 

私たちはお互いに支え合いながら、入居者様に最善のケアを提供しています。仕事中、言葉にしなくても通じ合える瞬間があり、それが何よりの支えになります。

 

時には同僚と話すことで、胸に抱えた思いを吐き出すこともあります。その時、励まし合いながらお互いの気持ちを分かち合えることが、私たちが前を向いて進んでいくための大きな力です。

 

仲間がいるからこそ、どんなに辛い出来事に直面しても、それに耐え、また笑顔で入居者様と向き合うことができるのだと感じます。

 

入居者様の笑顔が私の原動力

どんなに辛いことがあっても、入居者様の笑顔が私たちを救ってくれます。ある日、「いつもありがとう」と入居者様に言われたとき、その一言で心が温かくなり、また明日も頑張ろうと思えるのです。

 

入居者様の生活を少しでも快適にし、支えることができることが、この仕事の魅力であり、やりがいでもあります。

 

私たち介護士は、入居者様の一瞬一瞬の幸せに寄り添う存在です。悲しいことがあっても、その方の笑顔や感謝の言葉が、次の日への原動力になるのです。

 

自分に問いかける日々

起きて欲しくなかったことが現実となるたび、私自身にも問いかけます。

 

「どうしてこの仕事を選んだのか?」「私にできることは何か?」このような問いを自分にぶつけることで、介護の仕事を通じて自分が得たものや成長した部分にも目を向けられるようになりました。

 

悲しい出来事があっても、それが次に繋がるための学びとなり、気づきになります。大切な人を大切に思う心、それを持って接することの大切さを、介護の仕事から教えられています。

 

未来への思いと願い

どんなに辛い現実と向き合っても、私たちは前を向いて歩み続けます。入居者様が、少しでも穏やかに、安心して過ごせるように。私たちがいることで、少しでも心の支えになればと願っています。

 

介護の現場での経験は、時に重く、厳しいものかもしれませんが、その一方で人の温かさや命の尊さを感じさせてくれるものでもあります。

 

この仕事を通じて学んだことや気づいたことが、私の人生を豊かにしてくれると信じています。

 

そして、今もなお介護の現場で一歩ずつ歩みを進めることができるのは、入居者様や仲間の支えがあってこそ。この思いを胸に、これからも大切に介護の仕事に向き合っていこうと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。