kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

床屋さんだった木村さんの、忘れられない笑顔

みなさん、今日は、木村さん(仮名)という素晴らしい男性のストーリーをご紹介します。彼は、地元で50年以上にわたり床屋さんを営んでいました。その生涯に渡る営業は、多くの人々にとって特別な思い出となりました。しかし、彼の人生はある日大きな転機を迎えました。

 

木村さんは82歳にして、床屋の仕事に情熱を捧げてきました。しかし、徐々に手元が不安定になり、お客さんに怪我をさせることが増えてきたというのです。その悲しい現実を見つめながら、木村さんの奥さんは重要な決断を下すことになりました。彼女は、夫の安全とお客さんの幸福を考え、お店を閉めることを決断したのです。

 

しかし、木村さん自身はこの決断に納得できなかったと言います。床屋を辞めた後も、認知症の症状が徐々に現れ始めました。彼は、以前と同じようにバリカンを使って髪を整えたり、仕事の日々を思い出すような行動を続けました。バリカンはもう手元にないのに、「そこにあるバリカン取ってくれ」と奥さんに頼むこともしばしばあったそうです。

 

木村さんが認知症の症状が進行するにつれ、家庭ではなく、私たちの老人ホームで過ごすことになりました。新しい環境になれるまでには時間がかかりましたが、彼は着実に認知症の現実と向き合っていくことになります。

 

入所後も、木村さんの心は床屋の仕事に常に向かっていました。バリカンやハサミを探す行動は、彼の日常に欠かせませんでした。何度も私たちのスタッフに「そこにあるバリカン取ってくれ」とお願いし、その瞬間、彼の目には仕事をしているときの情熱が宿っているようでした。

 

ホームには、むかし木村さんの床屋に通った方もいました。その方々との再会は、彼にとって特別な瞬間となりました。昔話を弾ませ、笑顔を取り戻すことができる瞬間が、彼にとって何よりの喜びとなっていました。

 

この物語から私たちが学ぶべきことがたくさんあります。木村さんのように、長い間一つの仕事に情熱を捧げ、それが彼のアイデンティティとなってきた人々は、認知症という厳しい現実と向き合うことがあります。しかし、その情熱や記憶は決して失われず、新しい場所や状況でも輝き続けるのです。

 

 

木村さんは、床屋さんという仕事を通して、多くの人に笑顔と元気を与えてきた方です。

 

認知症が進行しても、床屋さんだった頃の記憶を大切にしていた木村さんの姿は、私たちに多くのことを教えてくれます。

 

人生とは、仕事や趣味など、さまざまなことに打ち込み、たくさんの思い出を積み重ねていくものだと思います。

 

そして、その思い出は、私たちの心の中にずっと残り続けるものなのだと思います。

木村さんの笑顔は、これからも私たちの心にずっと残り続けることでしょう。

 

木村さんの笑顔は、人生の素晴らしさや、大切な人とのつながりの大切さを教えてくれるのではないでしょうか。

 

このブログを読んで、みなさんも笑顔になってもらえたら嬉しいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。