kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

自分勝手なやさしさの正当化

介護士として働く日々の中で、私たちは多くの葛藤に直面します。入居者様の方々の苦痛や孤独を目の当たりにし、彼らのためにできる限りのことをしたいと思う一方で、自身の時間や体力、そして心の余裕も有限であるという現実と向き合わなければなりません。

 

そんな中、特に難しいのが「自分勝手なやさしさ」の正当化です。入居者様の方々の喜ぶ顔を見たいという気持ちから、彼らの望みを全て叶えようと努力することは、一見素晴らしい行為に思えます。

 

しかし、それが彼らの自立や成長を妨げている場合、それは本当に「やさしさ」と言えるのでしょうか?

 

例えば、ある入居者様の方が、食事を自分で摂ることを拒否し、介護士に全て食べさせてほしいと頼んだとします。その場では、入居者様の方の希望を叶えることが「やさしさ」だと考えるかもしれません。

 

しかし、それが長期間続くと、入居者様の方は食事を自分で摂るという意欲を失い、さらに自立が難しくなってしまう可能性があります。

 

このような場合、介護士は入居者様の方の希望を尊重しつつも、彼らの自立を促すような声かけや支援を行う必要があります。

 

それは、入居者様の方にとって必ずしも喜ばしいことではないかもしれませんが、彼らの将来を考える上では必要な「やさしさ」と言えるでしょう。

 

自分勝手なやさしさの正当化は、介護士だけでなく、多くの人が陥りやすい罠です。誰しも、自分が良い人だと思われたいという気持ちを持ちます。

 

しかし、本当に大切なのは、入居者様の方にとって何が本当に良いのかを考え、それを実践することです。

 

入居者様の方々の希望を全て叶えることは、必ずしも彼らのためにならない場合があります。介護士は、入居者様の方々の立場に立って、彼らのニーズを正しく理解し、自立を促すような支援を行うことが求められます。

 

その過程で、入居者様の方から理解を得られないことも、批判されることもあるかもしれません。

 

しかし、自分の良心と信念に従い、入居者様の方にとって本当に良いと思うことを貫き通すことが、真の「やさしさ」につながるのではないでしょうか。

 

介護士の仕事は決して楽ではありません。しかし、入居者様の方々の笑顔や感謝の言葉を聞くたびに、私たちは大きな喜びを感じることができます。

 

入居者様の方々のために、自分自身ができる限りのことをしたいという思いは、私たちを支える原動力となります。

 

自分勝手なやさしさの正当化に惑わされることなく、入居者様の方にとって本当に良いと思う「やさしさ」を追求していくことが、介護士として成長していくために必要なことだと私は信じています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。