kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

同じ入居者様同士、陰で笑う心理

介護士として働く中で、同じ認知症の入居者様同士を陰で笑ってしまう自分がいることに気づきました。決して悪意からではないのですが、思わず笑ってしまう自分が情けなく、同時にその心理を探求したいという気持ちにも駆られました。

 

この記事では、介護士として働く私が、同じ認知症の入居者様同士を陰で笑ってしまう心理について、率直な思いと考察を交えて綴っていきます。

 

同じ認知症の入居者様同士を笑ってしまう瞬間

具体的なエピソードを挙げると、例えば、同じ認知症の入居者様同士が、同じものを何度も探したり、同じ会話を何度も繰り返したりする様子を見た時、思わず笑ってしまうことがあります。

 

また、認知症の症状の一つである「徘徊」をしている入居者様同士が、偶然同じ場所で鉢合わせになった時にも、なぜか可笑しく感じてしまうことがあります。

 

なぜ笑ってしまうのか?

なぜこのような状況で笑ってしまうのか、自分自身を分析してみると、いくつか考えられる理由が浮かび上がりました。

 

  • 認知症に対する無知: 認知症について十分な知識を持っていないため、彼らの行動を単に滑稽なものとして捉えてしまう。

 

  • ストレスへの逃げ場: 介護の仕事は肉体的にも精神的にも負担が大きく、そのストレスを解消するために、つい入居者たちの様子を笑いの対象にしてしまう。

 

  • 共感の欠如: 認知症の入居者様たちの状況に十分に共感できていないため、彼らの行動を客観視し、笑い飛ばしてしまう。

 

  • 自分の将来への不安: 将来自分が認知症になった時のことを想像し、不安や恐怖を和らげるために、同じ症状を持つ入居者様たちを笑いの対象にしてしまう。

 

笑いの裏にある深い葛藤

これらの理由に加えて、笑いの裏には、もっと深い葛藤が潜んでいると感じています。

 

認知症の入居者様たちは、かつては社会の一員として活躍し、それぞれの個性と人生を歩んできた人たちです。

 

しかし、認知症という病気によって、その輝かしい過去や大切な記憶を失い、尊厳を傷つけられ、社会から孤立してしまっています。

 

そんな人たちの姿を目の当たりにすることで、介護士として働く私たちは、人間の無力さや儚さ、そして人生の理不尽さを突きつけられるような気持ちになります。

 

そして、その苦しい気持ちを和らげようとして、つい笑ってしまうのかもしれません。

 

真摯に向き合うことの大切さ

しかし、笑いは一時的な心の逃げ場にしかならず、問題解決には繋がりません。

 

大切なのは、入居者様たちの置かれている状況に真摯に向き合い、彼らの尊厳を守り、少しでも快適な生活を送れるようサポートすることです。

 

そのためには、認知症に関する知識を深め、彼らの気持ちに寄り添い、共感できるよう努める必要があります。

 

また、自分自身の将来への不安や恐怖と向き合い、それを乗り越えるための力を見つけることも重要です。

 

おわりに

同じ認知症の入居者様同士を笑ってしまう心理は、複雑で様々な要因が絡み合っています。

 

大切なのは、その心理を否定することではなく、なぜ自分がそのような感情を抱くのかを理解し、そこから真摯に向き合うことです。

 

介護士として働く私たち一人ひとりが、入居者様たち一人ひとりに寄り添い、彼らの尊厳を守り、少しでも笑顔あふれる生活を送れるよう努めることが求められています。

 

このブログが、介護士として働く方々にとって、自分自身の心理を理解し、より良い介護を提供するためのヒントになれば幸いです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。