kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

老々介護で事件に発展する問題:介護士の視点



私は、老人ホームで介護士として働いている「かいごの木」です。

日々、高齢者の介護に携わる中で、老々介護の現状や問題について考える機会が多くあります。

 

老々介護とは、高齢者が高齢者を介護する状況のことです。日本では、少子高齢化の進展に伴い、老々介護の割合が増加しています。厚生労働省の調査によると、2021年の老々介護の割合は、65歳以上の夫婦のみの世帯で24.1%、65歳以上の夫婦とその他の同居家族の世帯で19.7%となっています。

 

老々介護には、以下のような問題があります。

  • 身体的な負担

老々介護では、介護者も高齢であるため、身体的な負担が大きくなります。要介護者の排泄や入浴、食事などの介護は、体力や気力が必要です。また、介護に伴う事故やケガのリスクも高まります。

 

  • 経済的な負担

介護には、介護サービス利用料や医療費などの費用がかかります。老々介護では、介護者も働いている場合が多いため、経済的な負担も大きくなります。

 

  • 精神的な負担

介護は、身体的にも経済的にも負担が大きいものですが、精神的な負担も大きくなります。要介護者の介護は、肉体的だけでなく、精神的にも疲弊させられるものです。介護者自身が認知症を発症したり、うつ病を発症したりするケースも少なくありません。

 

老々介護が事件に発展するケースもあります。2022年には、東京都で80代の夫が認知症の妻を殺害する事件が起きました。また、2023年には、愛知県で90代の夫が認知症の妻を殺害する事件が起きました。

 

これらの事件では、介護の負担や孤立感などが要因として挙げられています。介護者自身が追い詰められ、最悪の事態に陥ってしまうのです。

 

介護士として、老々介護で事件に発展する問題を解決するために、以下のような取り組みが必要だと考えています。

 

  • 介護者の負担軽減

介護者の負担を軽減するために、介護サービスや地域の支援を充実させる必要があります。また、介護者の休息やリフレッシュの機会を増やすことも重要です。

 

  • 介護者の孤立防止

介護者の孤立を防止するために、介護者同士の交流や、地域の人との関わりを促進する必要があります。また、介護者の相談窓口を充実させることも重要です。

 

老々介護は、決して他人事ではありません。高齢化する社会において、今後もますます増えていくと考えられます。介護士として、老々介護で事件に発展する問題を解決するために、一人ひとりの介護者を支えていきたいと考えています。

 

具体的な取り組みとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 介護サービス利用の促進

介護サービスの利用を促進することで、介護者の負担を軽減することができます。また、介護サービスを利用することで、介護者自身がリフレッシュする時間を持つこともできます。

 

  • 地域の支援の充実

地域の支援を充実させることで、介護者の孤立を防止することができます。例えば、地域のボランティアや民生委員の支援により、介護者の買い物や掃除などの家事をサポートするといった取り組みがあります。

 

  • 介護者の相談窓口の充実

介護者の相談窓口を充実させることで、介護者の不安や悩みを解消することができます。例えば、介護の専門家による相談や、介護に関する情報提供を行うといった取り組みがあります。

 

老々介護で事件に発展する問題は、一人ひとりの介護者を支えることで解決することができます。介護士として、一人ひとりの介護者に寄り添い、支えていきたいと考えています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。