私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。日々多くの高齢者の方と接する中で、「ちゃんとした自分」という概念に縛られている人々に多く出会います。
彼らは、過去の栄光や理想の自分に固執し、今の自分を受け入れることができずに苦しんでいます。
このブログでは、私が介護士として経験したエピソードを通して、「ちゃんとした自分」をあきらめることの大切さについて考えていきたいと思います。
「ちゃんとした自分」の呪縛
ある日、入居されているCさんから、「もう何もできない。自分はダメな人間だ。」と嘆く声を聞きました。Cさんは、かつてはバリバリのキャリアウーマンとして活躍していた方です。しかし、現在は認知症の影響で、日常生活もままならない状態です。
Cさんは、昔の自分と今の自分を比べて、落胆していました。そして、「ちゃんとした自分」になれなくなった自分を責め続けていました。
私はCさんに、「昔の自分と比べる必要はありません。今のCさんでいいんですよ。」と声をかけました。しかし、Cさんはなかなか自分の言葉を受け入れてくれませんでした。
「ちゃんとした自分」を手放す
その後、Cさんと何度も話を重ねる中で、Cさんは少しずつ「ちゃんとした自分」を手放し始めていきました。そして、「今の自分を受け入れること」の大切さに気づき始めたのです。
Cさんは、趣味の園芸を始めたり、他の入居者の方と交流したりと、新しい生活を楽しめるようになってきました。そして、「ちゃんとした自分」になれなくても、幸せを感じられるようになったのです。
「ちゃんとした自分」とは?
そもそも、「ちゃんとした自分」とは何でしょうか?
人によって、「ちゃんとした自分」の定義は異なります。しかし、多くの場合、「ちゃんとした自分」とは、「社会的に認められる自分」、「理想的な自分」という意味合いを持っています。
しかし、「ちゃんとした自分」を目指すことは、時に人を苦しめます。なぜなら、「ちゃんとした自分」は常に変化し続けるからです。
「今の自分」を大切にする
大切なのは、「ちゃんとした自分」を目指すことではなく、「今の自分」を大切にすることです。
今の自分を受け入れることができなければ、未来の自分を受け入れることもできません。
介護士としてできること
介護士として、私は入居者の方々に「今の自分」を受け入れることの大切さを伝えていきたいと思っています。
そして、入居者の方々が自分自身を肯定し、幸せを感じられる生活を送れるようサポートしていきたいと思っています。
終わりに
「ちゃんとした自分」をあきらめることは、決して簡単なことではありません。しかし、それは自分を解放し、新たな可能性を開くための第一歩となります。
このブログが、読者の皆様が「今の自分」を受け入れ、自分らしい人生を送るためのヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。