~介護士としての日々の中で気づいた、小さな選択の積み重ね~
毎日、入居者様の生活に寄り添い、介護という仕事にやりがいと責任を感じながら働いています。
でも、正直に言えば、すべてが「理想的なやる気」で満ちているわけではありません。
今日はそんな私が、ふと気づいた「行動を起こすときは、面白いかどうかで決めてみる」という考え方について、感じたことを綴ってみたいと思います。
きっかけは、ある先輩の一言から
きっかけは、職場の先輩との何気ない会話でした。
ある日、夜勤明けの休憩室で、「最近、業務改善の提案とかやってますよね?疲れませんか?」と聞いた私に、先輩はこう答えました。
「うん、でもさ、面白そうだと思ったからやってるだけだよ。面白くなかったらやらない」
…なんだか拍子抜けするような言葉でしたが、その「面白いからやってるだけ」というシンプルな考え方が、私の中で強く残ったのです。
「やるべきこと」だらけの毎日
介護の現場は、やるべきことの連続です。
バイタルチェック、排泄介助、入浴介助、食事の準備と見守り、記録の入力、レクリエーションの準備…とにかく「やることリスト」がいつも満載。
だからこそ、つい「やらなきゃいけないからやる」「決まってるからやる」という感覚に引っ張られてしまいがちです。
そんなとき、「面白いかどうかで決めていいんだ」という視点は、とても新鮮に感じられました。
小さな選択にも「面白さ」は潜んでいる
たとえば、同じ「レクリエーションの準備」という仕事でも、
毎回同じ体操を流すだけにするか
少しアレンジして、懐かしい歌謡曲に合わせたストレッチに変えてみるか
これ、どちらが「面白そう」と感じますか?
正解はありません。
でも私は、「歌に反応して口ずさんでくれる入居者様がいるかも」「それを見て笑ってくれる人がいるかも」と思ったら、ちょっと面白そうだな、と思ったんです。
それだけで、いつもの業務がほんの少し、楽しくなりました。
面白さは「他人のため」にもなる
「自分が面白いと感じることを優先していいの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
でも、面白さというのは、周りにも伝わるものです。
自分がワクワクしていたり、楽しんでいる姿を見て、利用者さまや同僚も自然とその空気に引き込まれる。
実際、私が少し遊び心を加えたレクのときには、利用者さまの反応がとても良く、普段あまり笑わない方が笑ってくれたこともありました。
それを見て「今日のレク、良かったね」と同僚に声をかけてもらったとき、「やっぱり、面白いって力になるんだな」と感じました。
真面目さと面白さは両立できる
介護の現場は、人の命や尊厳を預かる真剣な場所です。
だからこそ、「ふざけてはいけない」「きちんとしなきゃ」という意識が強くなりがち。
でも、「真面目にやること」と「面白さを取り入れること」は、決して相反するものではありません。
むしろ、面白さや好奇心を取り入れることで、「この人はこうしたらもっと笑顔になるんじゃないか?」という想像力や観察力が育つ気がします。
それは、介護という仕事において、とても大切な感性だと思うのです。
「面白いからやってみる」は、自分の人生も動かす
仕事の中だけでなく、プライベートでも同じです。
私は最近、介護の勉強会に参加することにしました。
以前なら、「時間がないし、疲れてるし…」とやめていたと思います。
でも、「ちょっと面白そうかも」と思って参加したら、いろんな発見があり、何よりも他の施設の方と話すことで刺激になりました。
行動のきっかけを「正しさ」や「義務感」ではなく、「面白そう」という感情にしてみると、不思議と行動が軽くなります。
そして、やってみたことで、視野が広がったり、成長につながったりするのです。
最後に:面白さは、自分の心のアンテナ
今の仕事、毎日が楽しいわけじゃない。
辛いこともあるし、疲れて投げ出したくなる日もあります。
でも、その中にほんの少しでも「面白いかも」と思える瞬間を見つけられたら、それは自分自身を動かす力になります。
面白さは、わがままでも、軽い気持ちでもなく、自分の中にある素直な感情です。
その感情に正直になって、小さな一歩を踏み出すことが、やがて大きな変化につながるかもしれません。
今日も、「これ、ちょっと面白そうだな」と思えることに出会えるといいですね。
そして、それが誰かの笑顔につながるのなら、こんなに嬉しいことはありません。
最後までお読みいただきありがとうございます。