kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

嫌がらせがあっても知らんぷりしたい

介護士として老人ホームで働く中で、さまざまな人間関係に直面します。入居者様、ご家族、同僚、上司…どこにでも「合わない人」「厳しい人」「理不尽なことを言ってくる人」は存在します。そんなとき、胸の内にふと湧き上がる思いがあります。]

 

「できれば、嫌がらせがあっても知らんぷりしていたい」

 

そんな気持ちを抱くあなたへ。このブログはあなたのために書いています。

 

「無視できれば楽なのに」…そう思うのは、あなたが優しいから

介護の現場では、理不尽な怒りや嫌味、感情の矛先を向けられることがあります。

 

「こんなこともできないの?」「前の人の方がよかった」「あんたに世話されたくない」

 

入居者様の不安や苦しみの表現だと頭ではわかっていても、心は傷つきますよね。

 

それでも、あなたは怒鳴り返したり、仕返しをしたりはしない。

 

できれば平静を保ちたい、波風を立てたくないと思っている。知らんぷりできたら、どんなに楽だろうか…と。

 

その願いの裏には、相手を傷つけたくない、環境を悪化させたくないという「優しさ」があるのだと思います。

 

「スルーする」のは逃げではなく、選択

ときどき、「嫌がらせを無視するのは負けだ」とか、「しっかり言い返さないとダメ」と言う人もいます。でも、本当にそうでしょうか?

 

嫌がらせを受けても、すべてに反応していたら、心が持ちません。理不尽な言葉や態度に正面から向き合うことだけが「強さ」ではありません。

 

「これは受け取らない」「これは私の問題じゃない」と自分の中で線引きをして、スルーすることは、立派な自己防衛です。それは逃げではなく、「自分の心を守るための選択」です。

 

私たちは感情を押し殺して耐え続ける必要はありません。でも、同時にすべてを真に受ける必要もないのです。

 

「知らんぷり」の中にも自分なりの意味を見つける

知らんぷりをするとは、ただ無関心になることではありません。たとえば、心の中でこう考えることもできます。

 

🌕「この人は、今日機嫌が悪いんだな」

 

🌕「私にではなく、別の何かに苛立っているのかもしれない」

 

🌕「私を否定しているのではなく、不安の裏返しなのかも」

 

そう思えたら、少しだけ心が軽くなります。無理に笑顔を作らなくてもいいけれど、自分が自分を責めないようにしてあげる。そのための「知らんぷり」なら、私は肯定したいと思います。

 

それでも、つらくなったら誰かに話していい

嫌がらせを受けたとき、「私が我慢すればいい」「愚痴を言うのは弱い」と感じてしまうこともあるでしょう。でも、そうやって自分の中だけで抱え込むのは、本当に苦しいものです。

 

あなたの心がすり減っていく前に、誰か信頼できる人に話してほしい。共感してもらえなくても、「つらかったんだね」「それはしんどかったね」と言ってくれる人がきっといるはずです。

 

職場にそんな人がいないなら、外部の相談窓口でもいいし、同じように介護の仕事をしている仲間でもいい。あるいは、こうして記事を読んでくれている誰かに、心を少しだけ開いてみるのもひとつの手です。

 

「嫌がらせを受けた私」が悪いわけじゃない

嫌がらせを受けると、自分に原因があるんじゃないかと自問してしまうことがあります。

 

「私の態度がよくなかった?」


「もっと丁寧に接していたら違った?」

 

そうやって、自分を責め始めてしまうことはありませんか?

 

でも、思い出してほしいのです。あなたは十分に頑張っています。感情を抑え、誰かを気遣い、何度も優しい言葉をかけてきた。その上で傷ついているのだとしたら、それはあなたのせいではありません。

 

人にはそれぞれの課題があります。嫌がらせをする人も、その人なりの抱えているものがあるのでしょう。でも、それをあなたが背負う必要はありません。

 

最後に:知らんぷりは、心の距離の取り方

私は、「知らんぷりすること」にも勇気が必要だと思っています。

 

感情に振り回されず、自分の軸で立ち続けること。否定されたように感じても、自分の価値を見失わないこと。誰かの無理解に、巻き込まれすぎないこと。

 

それはとても難しくて、でもとても大切な「技術」です。

 

もし今、「知らんぷりしたいけど、どうしても気になってしまう」と悩んでいるなら、その繊細さをどうか否定しないでください。それはあなたの弱さではなく、人の心に寄り添う力の裏返しです。

 

だからこそ、自分の心もどうか大切にしてください。

 

今日もあなたが、たとえ知らんぷりをしながらでも、自分の心を守りながら歩けていますように。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。