私は、老人ホームで働く介護士です。
介護難民という言葉をご存知でしょうか。
介護難民とは、要介護者になった家族を自宅で介護しようとしても、経済的・体力的・精神的に限界を迎え、介護施設への入居や、場合によっては自立した生活を断念せざるを得なくなった人のことを指します。
2025年には、日本の人口の約28%が65歳以上になると予測されており、介護難民の問題はますます深刻化していくと考えられます。
そこで今回は、介護士として10年以上の経験を持つ私が、介護難民にならないための方法について、読者に寄り添った視点で解説したいと思います。
介護難民にならないための5つのポイント
介護難民にならないためには、以下の5つのポイントを押さえておくことが大切です。
1.介護資金を貯めておく
介護費用は、介護保険の給付だけでは賄えないことがほとんどです。そのため、介護資金を貯めておくことは、介護難民にならないための基本中の基本と言えるでしょう。
介護費用の平均は、介護保険の給付分を除くと、1ヶ月あたり約10万円と言われています。そのため、退職金や貯蓄、年金などを活用して、少なくとも1000万円程度の介護資金を貯めておくことを目標にしましょう。
2.家族のサポートを確保しておく
介護は、家族や友人のサポートがなければ、自宅で続けることが難しいものです。そのため、介護の際には、家族や友人のサポートを確保しておくことが重要です。
具体的には、配偶者や子ども、親戚、友人などに、介護の担い手になってもらう、あるいは、介護に必要な手伝いをしてもらうなどの協力をお願いしておきましょう。
3.健康に気を使い、日々予防する
介護難民の原因のひとつに、要介護者の身体機能の低下が挙げられます。そのため、介護難民にならないためには、要介護者の身体機能の低下を予防することが大切です。
具体的には、適度な運動や栄養バランスの良い食事、規則正しい生活習慣などを心がけましょう。また、認知症の予防にも努めることが重要です。
4.生活の拠点を地方に移す
介護難民の原因のひとつに、都市部での介護施設の不足が挙げられます。そのため、介護難民にならないためには、生活の拠点を地方に移すことも一つの選択肢です。
地方には、都市部よりも介護施設の空きがあり、介護費用も安価な傾向にあります。また、地域のコミュニティが活発で、介護のサポートを受けやすい環境も整っています。
5.国からのサポートを受ける
介護難民にならないためには、国からのサポートも活用しましょう。
国では、介護保険の給付のほかにも、介護費用の補助や、介護サービスを利用するための助成金など、さまざまなサポートを提供しています。
これらのサポートを活用することで、介護費用を抑えたり、介護サービスの利用を安価にしたりすることができます。
介護難民にならないための心構え
介護難民にならないためには、心構えも大切です。
介護は、家族の介護者にとって、肉体的・精神的に大きな負担となります。そのため、介護を始める前に、介護の大変さや限界をしっかりと理解しておくことが重要です。
また、介護は、家族が協力して乗り越えるものであることを忘れないようにしましょう。そのため、家族とよく話し合い、介護に関する考えを共有しておくことが大切です。
まとめ
介護難民は、決して他人事ではありません。誰もが、いつかは介護者になる可能性があります。
そのため、介護難民にならないために、早いうちから対策をしておくことが大切です。
今回ご紹介した5つのポイントを参考に、介護難民にならないための準備を進めていきましょう。
読者さまへ
介護は、家族にとって大きな負担となります。しかし、介護難民にならないための対策をしっかりとしておけば、介護を無理なく続けることができます。
この記事が、介護難民にならないためのヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。