私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。
認知症は、高齢者の約10人に1人がかかると言われています。認知症になると、記憶や判断力、行動などに障害が現れます。
そんな認知症になった親や配偶者と同居するかどうかは、介護をする側にとって大きな問題です。同居すれば、常に親や配偶者の様子を見守ることができ、安心ですよね。しかし、同居にはさまざまなデメリットもあります。
ここでは、認知症になってからの同居が避けるべき理由を、読者の気持ちを思いながら解説していきます。
1.介護の負担が大きくなってしまう
認知症になると、食事や入浴、排泄などの身の回りの世話や、散歩や買い物などの外出の付き添いなど、さまざまな介護が必要になります。同居すれば、これらの介護をすべて介護者一人で行うことになります。
介護は肉体的にも精神的にも負担が大きく、仕事やプライベートの時間を削って介護に追われることになります。介護者の心身が疲弊し、介護が継続できなくなる可能性もあります。
2.親や配偶者の生活リズムが乱れてしまう
認知症になると、夜間徘徊や暴言、暴力などの問題行動が出ることがあります。同居すれば、これらの問題行動に悩まされることになります。
問題行動によって、介護者や他の家族の睡眠や生活リズムが乱れてしまうことがあります。また、問題行動が原因で親や配偶者との関係が悪化してしまうことも考えられます。
3.親や配偶者のプライバシーが守れなくなる
認知症になると、自分の意思や感情をうまく表現できなくなることがあります。そのため、介護者が親や配偶者の代わりに意思決定や行動をコントロールすることになります。
このような状況では、親や配偶者のプライバシーが守れなくなることがあります。また、介護者が親や配偶者の意思を尊重せず、自分の考えを押し付けてしまうこともあるでしょう。
4.介護者の人生が制限されてしまう
同居すれば、親や配偶者の介護に自分の人生を捧げなければならないことになります。仕事や趣味、旅行など、自分のやりたいことを我慢しなければならなくなるでしょう。
介護は長い年月かかるものです。介護のために自分の人生を制限し続けるというのは、決して簡単なことではありません。
まとめ
認知症になってからの同居には、さまざまなデメリットがあることがわかりました。
もちろん、同居にはメリットもあります。親や配偶者の近くに住むことで、常に様子を見守ることができ、安心感を得ることができます。また、食事や入浴などの世話をしながら、親や配偶者と過ごす時間が増えるのもメリットです。
しかし、デメリットをよく理解した上で、同居の可否を判断することが大切です。
もし、同居を検討しているのであれば、以下のようなことを考えてみましょう。
- 介護できる体力や気力があるか
- 介護の費用を用意できるか
- 介護のサポート体制が整っているか
また、親や配偶者の意思も尊重することが大切です。
親や配偶者が同居を望んでいないのであれば、無理に同居させるべきではありません。
認知症の介護は、介護者にとって大きな負担となるものです。
同居するかどうかは、慎重に検討した上で、最善の選択をしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。