私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。日頃、高齢者の排泄介助をさせていただいておりますが、その他際に排出される使用済みの紙オムツの多くが焼却処理されているのを知りました。
問題になっているのは、紙オムツに含まれる糞尿です。焼却する際、そのままでは、紙オムツが燃えないために燃料を添加する必要があり、焼却炉に余計な負担がかかっています。そこで気になったのが、紙オムツが無かった時代は、糞尿はどのように処理されていたのか気になり調べてみました。
江戸時代の糞尿処理は、主に以下の3つの方法で行われていました。
1.汲み取り
江戸時代の町家には、便器として「くみ取り式便所」が設置されていました。これは、便器の下に穴が開いており、そこに糞尿が落ちるようになっており、定期的に汚穢屋(おわいや)と呼ばれる業者が汲み取っていました。
2.肥溜め
汲み取られた糞尿は、肥溜めと呼ばれる場所に貯蔵されました。肥溜めは、農村や郊外の空き地などに作られ、糞尿を数ヶ月間熟成させてから、肥料として使用していました。
3.川への流出
江戸時代初期には、糞尿を川や堀に流すことも行われていました。しかし、川や堀が汚染される原因となり、1648年には「雪隠取壊令」が出されて、雪隠が取り壊されました。
江戸時代の糞尿処理は、農業用肥料として利用することを目的としていました。そのため、糞尿は丁寧に処理され、肥料としての価値を高める工夫がされていました。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 糞尿を汲み取る際には、糞尿を汚さないように注意していました。
- 肥溜めには、糞尿を熟成させるための土や石灰などが投入されていました。
- 肥料として使用する際には、糞尿を水で薄めてから使用していました。
江戸時代の糞尿処理は、当時の技術や環境条件を考慮すると、非常に合理的な方法であったと言えます。この方法により、江戸時代の農業は、豊かな収穫を上げることが可能となりました。
江戸時代の糞尿処理は、現代でもだいぶ参考になると思いませんか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。