介護士として働く日々の中で、入所者様の方との関わりは時に難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。特に、認知症の方や、意思疎通がうまく取れない方との関わりは、時に「敵」のように感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、多くの場合、入所者様の方々は敵意を持って接しているわけではありません。むしろ、不安や孤独、寂しさなどの様々な感情を抱え、助けを求めているのです。
今回は、そんな「敵に見えて実は味方」な入所者様の方々との関わりについて、私の経験を交えながらお話したいと思います。
1.認知症の入所者様の方との関わり
認知症の入所者様の方の中には、徘徊や暴力行為などの問題行動を起こす方がいらっしゃいます。周囲の職員や他の入所者様の方にとって、こうした行動は脅威となる場合もあり、つい「敵」のように感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、認知症の方の行動には、必ず理由があります。例えば、徘徊は、過去の記憶に基づいて家路を探しているのかもしれません。暴力行為は、不安や恐怖から防衛しようとしているのかもしれません。
大切なのは、入所者様の方の行動の背景にある理由を理解し、そのニーズに合わせた対応をすることです。
徘徊する方には、GPS機能付きの腕時計を装着したり、職員が付き添って散歩に出かけたりするなどの対策が考えられます。暴力行為をする方には、薬物療法や環境調整などの対応が必要となる場合もあります。
入所者様の方の行動を単に「問題」として捉えるのではなく、その背景にある理由を理解し、共感を持って接することで、敵意ではなく、信頼関係を築くことが可能となります。
2.意思疎通がうまく取れない入所者様の方との関わり
意思疎通がうまく取れない入所者様の方との関わりは、こちらも非常に難しいものです。何を訴えようとしているのか理解できず、イライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、意思疎通がうまく取れないからといって、入所者様の方の話を諦めてはいけません。ゆっくりと、丁寧に、相手の目を見て話すように心がけましょう。また、言葉だけでなく、表情や身振り手振りなども使ってコミュニケーションを取るようにしましょう。
時間をかけて、入所者様の方との信頼関係を築くことができれば、少しずつ意思疎通がうまく取れるようになってくるかもしれません。
3.入所者様の方との関わりを通して
入所者様の方との関わりは、決して楽なものではありません。しかし、その難しさの中にこそ、やりがいと喜びを見出すことができるのです。
入所者様の方の笑顔を見たり、ありがとうと言ってもらったりした時には、介護士としてこの仕事を選んで良かったと心から思うことができます。
入所者様の方との関わりを通して、私たちは多くのことを学ぶことができます。相手の立場に立って考えること、共感すること、忍耐強く接すること。こうした経験は、介護士としてだけでなく、人間としても成長させてくれるはずです。
入所者様の方々は、私たちにとって「敵」ではなく、「大切な存在」です。入所者様の方々の心と向き合い、寄り添い、支えていくことが、介護士の使命であると私は考えています。
まとめ
介護の仕事は、決して楽ではありません。しかし、入所者様の方との関わりを通して、私たちは多くのことを学ぶことができ、人間としても成長することができます。
入所者様の方々は、私たちにとって「敵」ではなく、「大切な存在」です。入所者様の方々の心と向き合い、寄り添い、支えていくことが、介護士の使命であることを忘れずに、これからも日々努力していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。