介護の現場で働いていると、「お金」と「愛」の大切さを痛感する場面が多くあります。入居者様の笑顔や「ありがとう」という言葉に支えられながらも、心のどこかで「もっと待遇が良ければ」と思ったり、自分の気持ちに余裕がなくなったりすることもあるのではないでしょうか。
この記事では、「お金にケチ」と「愛にケチ」という二つの視点から、日々の生活や介護の現場で感じることについて考えてみたいと思います。
このテーマは一見するとお金や愛を否定的に捉えているように思われるかもしれませんが、実際にはどちらもとても大切なものであり、私たちの生き方に深く影響を与えるものです。
お金にケチになるとはどういうことか?
「お金にケチ」という言葉を聞くと、多くの人は「お金を使うのを渋る」というイメージを持つでしょう。たしかにそれも一つの意味ですが、ここではもう少し広い視点で考えてみましょう。
例えば、介護の仕事では「効率化」や「コスト削減」が重視される場面があります。これは経営や運営上の必要な側面ですが、それが行き過ぎると、現場で働く人たちや入居者様に負担を強いる結果になることもあります。
たとえばこんな場面はないでしょうか?
必要な人手や設備にお金が回らない
職員がギリギリの人数で業務をこなしていると、時間や気持ちに余裕がなくなり、本来注ぐべきケアが不十分になることがあります。
自分自身への投資を惜しむ
自分の生活を支えるために節約するのは大事ですが、過剰にお金を惜しんでしまうと、健康や心の安定に悪影響を及ぼすこともあります。例えば、「疲れているけど外食は高いから…」と無理して自炊を続けてしまうことで、ストレスが溜まることもあるでしょう。
お金は確かに有限です。でも、必要なところに使うことをケチると、もっと大きな負担が返ってくる場合もあります。「必要な投資を惜しまない」という心持ちが、結果的にお金に対する余裕を生むのではないでしょうか。
愛にケチになるとはどういうことか?
次に、「愛にケチ」という言葉について考えてみます。この言葉は少し耳慣れないかもしれませんが、「人に愛情を注ぐことを惜しむ」といった意味合いで捉えると分かりやすいかもしれません。
介護の現場で働いていると、入居者様や同僚、家族との関わりの中で、自分の愛情が不足しているのではないかと感じることがあるかもしれません。忙しい日々の中で、こんなことを思う瞬間はないでしょうか?
「どうせ伝わらないから」と感謝の気持ちを伝えない
本当は「ありがとう」と言いたいのに、忙しさや気まずさからその言葉を飲み込んでしまう。
入居者様に対して「効率優先」になってしまう
ケアをする中で、時間の制約から一人ひとりに十分な愛情を注げていないと感じることもあるでしょう。
自分自身への愛をケチる
他人のために時間やエネルギーを費やす一方で、自分自身をいたわる時間を後回しにしてしまう。これもまた「愛にケチ」な行動と言えます。
愛は目に見えないものですが、だからこそ、自分の中で少しずつ削られていっても気づきにくいものです。しかし、愛をケチる生活が続くと、自分の心が枯れてしまうこともあります。
お金と愛は「循環」させるもの
ここで少し視点を変えてみましょう。お金と愛は、どちらも「循環させる」ことで力を発揮するものです。使いどころを見極め、必要な部分に流すことで、それが新たなエネルギーとなって返ってくるのです。
例えば、こんな小さな行動がその循環を生むきっかけになります。
お金の面での循環
・たまには自分のご褒美として、好きな食べ物を買ってみる。
・仕事のためにスキルアップ講座を受ける。
・入居者様のために、小さな飾りや折り紙を準備する。
愛の面での循環
・「ありがとう」と積極的に伝える。
・同僚や家族に、ちょっとした気遣いを見せる。
・自分自身に休息や趣味の時間を与える。
お金や愛は、貯め込むだけではその価値を失ってしまいます。むしろ、惜しまずに使うことで、その価値が倍増するのです。
介護士としての自分に向き合う
介護士として働いている皆さんは、すでに多くの愛情と時間を他人のために費やしています。その中で、自分の「お金」と「愛」の使い方に向き合うのは、時に難しいことかもしれません。
しかし、「ケチらない」という決意を持つことは、あなた自身の生活や仕事をより豊かにする一歩です。もちろん、無理をして散財したり、自分を犠牲にして他人に愛を注ぎすぎたりする必要はありません。大切なのは、「何が本当に大事なのか」を見極め、そのためにお金や愛を使うことです。
おわりに
「お金にケチと愛にケチ」というタイトルは少し挑発的に聞こえるかもしれません。しかし、その裏には「お金や愛を大切にし、適切に使うことで、もっと豊かに生きられる」というメッセージが込められています。
忙しい毎日の中で、「どこにお金を使い、誰に愛を注ぐのか」を一度立ち止まって考えてみる時間を作ってみてください。その選択が、きっとあなた自身の心を軽くし、介護の仕事や日々の生活をより楽しいものにしてくれるでしょう。
あなたが今日も誰かのために頑張っていること。それだけで、もう十分に素晴らしいのです。そして、あなた自身のためにも、どうかお金と愛をケチらない人生を歩んでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。