入居者様の中には、どうしても「面倒な方」とされてしまう方がいます。わがままだったり、暴言を吐いたり、暴力的な行動を取ったりする方です。
若い頃は、私もそんな方を見ると、正直言ってイライラしていました。しかし、介護の仕事に携わるようになってから、考え方が変わりました。
「面倒な方」こそ、一番助けが必要な方
「面倒な方」は、周囲の人を困らせる言動をすることが多いです。そのため、敬遠されてしまうことも少なくありません。しかし、その裏には、何かしら深い悩みや苦しみを抱えていることが多いのです。
例えば、認知症の症状で、自分が何をしているのか分からなくなり、不安や恐怖を感じている方。過去に辛い経験をして、人を信じることができなくなってしまった方。孤独感や寂しさを感じて、周囲に八当たりしてしまう方。
「面倒な方」は、自分自身の気持ちをうまく表現することができないことが多いです。そのため、周囲の人から誤解されたり、傷つけられたりしてしまうことも少なくありません。
私たちは、「面倒な方」を避けるのではなく、むしろ積極的に関わっていく必要があると思います。そして、その方の心の奥底にあるニーズを理解し、寄り添っていくことが大切です。
「面倒な方」と関わることで得られるもの
「面倒な方」と関わることは、決して楽ではありません。しかし、その方に寄り添い、理解しようと努力することで、私たち自身も大きく成長することができます。
「面倒な方」の気持ちに共感することで、人間としての優しさが磨かれます。また、困難な状況に立ち向かう勇気や、忍耐力も身につきます。
さらに、「面倒な方」との関わりを通して、人生の様々な価値観に触れることができます。それは、私たち自身の視野を広げ、より豊かな人生を送るための糧となります。
「面倒な方」と関わるための心構え
「面倒な方」と関わるためには、以下の心構えが大切です。
- 相手の立場に立って考える
- 思い込みや偏見を持たない
- 根気強く接する
- 小さな変化に気づく
- 感謝の気持ちを忘れない
「面倒な方」と関わることは、決して簡単なことではありません。しかし、その方に寄り添い、理解しようと努力することで、私たち自身も大きく成長することができます。
もし、あなたが老人ホームで働く介護士であれば、ぜひ「面倒な方」と積極的に関わってみてください。そして、その方の人生に少しでも光を灯すことができるよう、努力してみてください。
読者の方へ
老人ホームで働く介護士は、入居者様一人ひとりの人生と向き合い、寄り添っていく仕事です。その中には、「面倒な方」と呼ばれる方もいらっしゃいます。
しかし、「面倒な方」こそ、一番助けが必要な方であり、私たちに多くのことを教えてくれる存在です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。