私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、入居者の方々と接する中で、様々なことを考えさせられます。
介護の仕事は、知識や技術も必要ですが、それ以上に大切なのは、入居者の方の気持ちに寄り添うことです。しかし、頭では理解していても、本当に相手の気持ちに寄り添うことは、そう簡単ではありません。
ある日、認知症のある入居者の方Aさんから「家に帰りたい」と言われました。Aさんは、数年前から老人ホームに入居していましたが、最近では認知症の症状が悪化し、自宅の場所も忘れてしまっていました。
私は、Aさんの気持ちを理解しようと努めました。Aさんにとって、家は安心できる場所であり、家族との思い出が詰まった大切な場所です。その場所から離れ、知らない土地で生活するのは、Aさんにとってどれほど不安なことだろうと想像しました。
しかし、Aさんを自宅に戻すことは、現実的に難しい問題でした。Aさんは、一人で生活することが困難な状態であり、介護が必要でした。また、Aさんの家族も、介護を担うことが難しかったのです。
私は、Aさんに「家に帰りたい」という気持ちは理解しているけれど、今はそれが難しいことを説明しました。Aさんは、私の説明を聞いて、落胆した様子でした。
その日以来、Aさんは「家に帰りたい」と言うことはなくなりました。しかし、Aさんの目には、どこか寂しげな影が漂っていました。
私は、Aさんの気持ちに本当に寄り添うことができたのだろうか、と何度も考えました。頭では、Aさんの気持ちは理解しているつもりでも、本当にAさんの気持ちを理解することはできていないのではないか、と感じました。
介護の仕事は、常に「頭で知っていること」と「本当にわかっていること」とのギャップに直面する仕事です。入居者の方の気持ちに寄り添うためには、知識や技術を身につけることも大切ですが、それ以上に大切なのは、自分の心をオープンにし、相手の気持ちに耳を傾けることです。
私は、これからも入居者の方一人ひとりの気持ちに寄り添い、本当に相手の気持ちにわかる介護士を目指していきたいと思っています。
介護の仕事を通して
介護の仕事を通して、私は様々なことを学びました。
まず、人はそれぞれ異なる人生を歩んできているということを学びました。
入居者の方一人ひとりに、それぞれの物語があります。その物語を理解することで、入居者の方の気持ちに寄り添うことができるようになります。
また、人生には、喜びだけでなく、悲しみや苦しみもあるということを学びました。入居者の方の中には、辛い経験をされた方もたくさんいます。そのような方の話を聞き、共感することで、入居者の方の心の支えになることができます。
そして、何よりも大切なのは、人とのつながりであるということを学びました。入居者の方、家族、介護職員、地域の人々。様々な人とつながり、支え合うことで、より良い介護生活を送ることができます。
介護の仕事は、決して楽な仕事ではありません。しかし、入居者の方の笑顔を見た時、感謝の言葉をいただいた時、大きな喜びを感じることができます。
介護の仕事は、人とのつながりを大切にし、人の役に立つことができる、やりがいのある仕事です。
もし、介護の仕事に興味がある方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。
最後に
このブログを読んで、介護の仕事について少しでも理解していただければ幸いです。
介護の仕事は、誰でもできる仕事です。特別な資格や知識は必要ありません。大切なのは、人への愛情と、人の役に立ちたいという気持ちです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。