kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

もう自宅が存在しないのに「家に帰る」と話す入所者様

私は、老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。毎日、入所者様の方々と接し、彼らの心身のケアに努めています。

 

ある日、担当するおばあちゃんが「家に帰る」と言い始めました。しかし、おばあちゃんの自宅はすでに取り壊され、跡地には新しい建物が建てられています。

 

おばあちゃんは認知症を患っており、現実と過去の記憶が混同しているようです。しかし、それでも「帰りたい」という強い思いを持っていることが伝わってきます。

 

おばあちゃんの気持ちに寄り添う

認知症の方にとって、自宅は安心感や安全感を与えてくれる特別な場所です。たとえそれがもう存在しない場所であっても、おばあちゃんにとってはその場所こそが帰るべき家なのです。

 

私は、おばあちゃんの気持ちに寄り添い、話をよく聞いてあげるようにしました。そして、「もうすぐ家に着きますよ」と声をかけ、手を握って一緒に歩きました。

 

疑いや否定はせず、共感を示す

認知症の方に対しては、その言葉を否定したり、訂正したりするのは逆効果です。大切なのは、共感を示し、話をしっかりと聞いてあげることです。

 

おばあちゃんが「家に帰る」と言ったら、「そうですか、家に帰りたいんですね」と共感を示し、「もうすぐ家に着きますよ」と声をかけます。そして、手を握ったり、一緒に歩いたりすることで、安心感を与えてあげることが大切です。

 

現実と区別がつかない場合は、穏やかに誘導する

おばあちゃんが現実と区別がつかない場合は、穏やかに誘導する必要があります。

例えば、「もうすぐご飯の時間ですよ」と言って、食事の場所へ誘導したり、「今日はお天気いいですね。外に出かけませんか?」と言って、散歩に誘導したりします。

 

介護士としてできること

認知症の方の「帰りたい」という気持ちに完璧に応えることはできません。しかし、共感を示し、話を聞いてあげることで、おばあちゃんの不安を和らげ、安心感を与えることはできます。

 

また、現実と区別がつかない場合は、穏やかに誘導することで、おばあちゃんが安心して過ごせるようにすることができます。

 

おわりに

認知症の方の「帰りたい」という気持ちは、理解しにくいものです。しかし、介護士として私たちができることは、共感を示し、話を聞いてあげること、そして穏やかに誘導することです。

 

おばあちゃんの気持ちに寄り添い、最後まで寄り添い続けることが大切です。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。