kaigonoki’s diary

えがおの高齢者を増やす介護士

不安感は閉じ込めても無くならない

私は老人ホームで働く介護士の「かいごの木」です。日々、多くの高齢者と接しながら、彼らの生活を支える仕事をしています。今日は、「不安感は閉じ込めても無くならない」というテーマで、お話ししたいと思います。

 

私たち介護士にとっても、日々の仕事や個人的な問題で不安を感じることは少なくありません。それは入居者の方々も同じです。

 

高齢になり、健康や生活の変化、孤独感など、さまざまな要因で不安を抱えている方が多いです。しかし、その不安感をただ閉じ込めてしまうだけでは、解消されることはありません。

 

不安の根源を理解する

不安感は、私たちが未来について予測できないことから生じます。介護士として、入居者の方々が抱える不安の根源を理解し、それに対処することが重要です。

 

例えば、健康状態の悪化への不安、家族や友人との関係が希薄になることへの不安、新しい環境に馴染めないことへの不安などが挙げられます。

 

不安を感じること自体は自然なことです。しかし、その不安を無視したり、閉じ込めたりすることは、状況を悪化させるだけです。不安は、適切に対処することで軽減されるものです。

 

話を聞くことの大切さ

私たち介護士ができる最も基本的で重要なことは、入居者の方々の話をしっかりと聞くことです。彼らが感じている不安を言葉にすることで、その不安が軽くなることがあります。傾聴は、単なる聞く行為ではなく、相手の気持ちを理解し、共感する姿勢が求められます。

 

例えば、ある日、一人の入居者の方が「夜になると怖くて眠れない」と話してくれました。その方は、暗闇に対する漠然とした不安を感じていました。

 

私たちは、その不安を無視せず、なぜ怖いと感じるのか、どうすれば安心できるのかを一緒に考えました。夜間の照明を少し明るくし、お気に入りの音楽を聴きながら眠れるようにするなど、小さな工夫がその方の不安を大幅に軽減しました。

 

安心感を提供する環境作り

老人ホームでは、入居者の方々が安心して過ごせる環境作りが重要です。安心感は、不安を軽減するための基盤です。安心感を提供するためには、以下のようなポイントに気を配ることが大切です。

 

清潔で整った環境:清潔で整理整頓された環境は、心理的な安定感をもたらします。部屋の掃除や整理整頓はもちろん、共用スペースの清潔さも大切です。

 

規則正しい生活リズム:毎日の生活リズムを整えることで、予測可能な日常を提供し、不安感を減らします。食事や活動の時間を一定にすることで、生活の安定感が生まれます。

 

温かいコミュニケーション:スタッフ同士の温かいコミュニケーションや、入居者同士の交流も、不安感を軽減する一助となります。笑顔で接すること、親身になって話をすることが大切です。

 

自己ケアの重要性

介護士自身も、自分の不安を抱えたままでは、入居者の方々に対して十分なケアを提供することが難しくなります。自己ケアは非常に重要です。

 

自分の気持ちや体調に注意を払い、適切な休息やリラクゼーションを取ることが必要です。また、同僚や上司と不安や悩みを共有し、サポートを得ることも大切です。

 

私自身、仕事の中で感じる不安やストレスを同僚と話すことで、気持ちが軽くなることがあります。互いにサポートし合うことで、職場全体の雰囲気も良くなり、不安感が軽減されます。

 

まとめ

不安感は、誰しもが感じるものです。しかし、それをただ閉じ込めるだけでは解決にはなりません。老人ホームで働く私たち介護士は、入居者の方々の不安を理解し、共感し、適切に対処することが求められます。そして、自分自身の不安とも向き合い、ケアしていくことが大切です。

 

不安を感じたときは、それを無視せず、信頼できる人に話してみましょう。話すことで、少しずつ心が軽くなり、安心感が生まれてくるはずです。不安感は閉じ込めるものではなく、解き放ち、共に乗り越えていくものです。

 

皆さんも、日々の生活の中で不安を感じたときは、自分一人で抱え込まず、周りのサポートを受けながら、安心して過ごせる環境を作っていきましょう。

 

皆さんが安心して過ごせる日々を願っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。